たまたまなのか、僕の周りにはXガードを使う人が多い。
別に統計をとったわけではないけど、Xガードからのスイープをよく食らう。
やられた技は覚える。
ただXガードの使い勝手については正直、よく分からなかった。スイープの数が多いわけじゃないし。担いで立つか、後ろに倒すか、くらいじゃない。まあ細かくみればたくさんあるし、奥が深いのだけど。
でも光速タップを信条とする程度のおっさん青帯であれば、そこまで追求する必要もない。
あれこれ研究してわかったのは、Xガードに入れるガードポジションが多い、ということ。
いくつものガードポジションからXガードを経由することで、スイープにつなぐ展開を作ることができる。つまりXガードのスイープが使えれば、Xガードにつながる全ガードポジションからのアタックが増えるのだ。
Xガードに直結するガードポジションはだいたいこんな感じか。
・デラヒーバ
・スパイラル(リバースデラヒーバ)
・クオーターガード
・バタフライガード
・シントゥシンガード
・ニーシールドハーフ
・シングルX
またXガードからシングルXにも連携しやすい。ということはシングルXからのスイープもできればスイープの幅がシステマチックに広がることになる。
ただ例えば同じ左足に絡むのでも、デラヒーバとスパイラルではXガードの組み方が逆になる。だからXガードの打ち込みは左右両方できるようにしておいた方がいい。
そう考えると打ち込んでスムーズにできるようにしておくべき動作が見えてくる。
◯ポジションの変化
・デラヒーバから→Xガードへの変化
・スパイラル→Xガードへの変化
・クオーターガード→Xガードへの変化
・バタフライガード→Xガードへの変化
・シントゥシンガード→Xガードへの変化
・ニーシールドハーフ→Xガードへの変化
・シングルXからXガードへの変化
…これらは理論的に逆もできるはず。例えばデラヒーバからXガードに移行したものの対応されたらするデラヒーバに戻っても良い。するとデラヒーバ→Xガード→デラヒーバという反復打ち込みも可能だ。
またXガードをハブにすることで、デラヒーバ→Xガード→スパイラルみたいな組み合わせができる。Xガードに直結するガードポジションを上記6種類とした場合、Xガードを経由して2種のガードをつなぐ展開は計算上30種類になる。
◯スイープ
・Xガードからスイープ…肩に担いで立つやつ。
・Xガードからのスイープ…後ろに倒すやつ。
こうしてみるとXガードを一つ導入するだけで、ガードポジションにかなり展開の幅が生まれることがわかる。
ガードポジションは足で相手の上半身を制するか、下半身を制するかで2種に大別できる。
上半身系の代表はスパイダーや巻きスパイダーなど。
対してXガードやそれにつながるガードポジションは全て下半身系だ。
上半身系と下半身系のどちらを好むかは個人差があるだろう。いわゆるスパイダー使いは上半身派といえる。
Xガードは下半身系のガードポジションを好きな人に展開の幅を与えてくれる。
自分は全然使わないのでわからないのだけど、ワームガードや最近流行りのウェイターガードなんかも含めたらさらに可能性が広がるのだろう。下半身系のガードポジションを得意としている人でもしまだXガードを身に着けてないなら、次のオープンマットの時間にでも先輩にやり方を教わったらいいんじゃないかと思う。
2019年2月18日月曜日
技を構成するMust条件とShould条件
BJJは技が多い。
めっちゃ多い。あまりの技の多さに右往左往しっぱなしだ。それでももがいているうちに身についたのは「ディテールに拘りすぎない」ということ。ざっくりと技の原理を理解して、それをスパーで試す。どうもうまくいかなかったらディテールを確認する。
ただ本とかドリルだと技の手順を紹介するから、どのステップが大事で、どれが大事でない、ということが分からない。まあ全部大事だって言ってしまえばそれまでだけど、大事な中にも順序があるはずなので。
技を構成する要素には、主に2つある。
一つは「そもそもこれを外したら絶対に技が成立しない」もの。
もう一つは「技を成立させるために必要なもの」
こう書くとわかりにくいけど、前者が「Must(〜でなければならない)」なのに対して後者「Should(〜であるべきだ)」という違いと言えようか。
例えば三角絞めなら、足を三角に組んで相手の腕と首を絞めなければそもそも成立しない(Must)。でもこれだけではだいたい不十分で三角絞めを成立ための要素、例えば「後頭部を抱えて引きつける」「腕を流す」といった「Should」条件が加わる。
このMust条件とShould条件を同列に捉えると、単に覚えることが増える。それは記憶力が減退しつつあるおっさん柔術家には難しい。またいつまでも教わったのを覚えるばかりでは、自分なりにカスタマイズするレベルにも達しない。
中井祐樹先生は「新・バイタル柔術」において、柔術とは自分なりの技をクリエイトすることができると仰っている。
強い黒帯とかみててもやっぱり自分なりに技を作ったり、カスタマイズしたりしている。自分のものにしているから、強い。
でもだからって、闇雲に技を作るばかりでは基本が疎かになってかえって遠回りになってしまうかも知れない。今の柔術家は中井先生らレジェンド世代とは情報量で圧倒的に違いがある。これを役立てなくてはいけない。でもこれは情報量に埋もれてしまうという諸刃の刃でもある。日々新たな技が生み出されている今、追いかけているだけで終わってしまてはいつまで経っても自分の柔術を作ることなどできない。
情報量に振り回されず、いかに活用して自分の柔術をクリエイトしていくか。
その思考訓練として、学んだ技から「Must条件」と「Should条件」を抽出するのがいいんじゃないかと思う。それで「Must条件」を骨格として、「Shoule条件」を自分にあわせてカスタマイズしていくのだ。
この観点で技術本や動画を見比べてみると面白い。
同じ技、つまり「Must条件」は同じでも「Should条件」が人によって異なっていたりする。また先生によって異なることを言ってるようでも、「Must条件」は共通していたりする。
こうやって技の分析をする。体で試す。だめなら「Should条件」を見直してみる。
そういう工夫ができるのが、BJJのおもしろいところだ。
めっちゃ多い。あまりの技の多さに右往左往しっぱなしだ。それでももがいているうちに身についたのは「ディテールに拘りすぎない」ということ。ざっくりと技の原理を理解して、それをスパーで試す。どうもうまくいかなかったらディテールを確認する。
ただ本とかドリルだと技の手順を紹介するから、どのステップが大事で、どれが大事でない、ということが分からない。まあ全部大事だって言ってしまえばそれまでだけど、大事な中にも順序があるはずなので。
技を構成する要素には、主に2つある。
一つは「そもそもこれを外したら絶対に技が成立しない」もの。
もう一つは「技を成立させるために必要なもの」
こう書くとわかりにくいけど、前者が「Must(〜でなければならない)」なのに対して後者「Should(〜であるべきだ)」という違いと言えようか。
例えば三角絞めなら、足を三角に組んで相手の腕と首を絞めなければそもそも成立しない(Must)。でもこれだけではだいたい不十分で三角絞めを成立ための要素、例えば「後頭部を抱えて引きつける」「腕を流す」といった「Should」条件が加わる。
このMust条件とShould条件を同列に捉えると、単に覚えることが増える。それは記憶力が減退しつつあるおっさん柔術家には難しい。またいつまでも教わったのを覚えるばかりでは、自分なりにカスタマイズするレベルにも達しない。
中井祐樹先生は「新・バイタル柔術」において、柔術とは自分なりの技をクリエイトすることができると仰っている。
強い黒帯とかみててもやっぱり自分なりに技を作ったり、カスタマイズしたりしている。自分のものにしているから、強い。
でもだからって、闇雲に技を作るばかりでは基本が疎かになってかえって遠回りになってしまうかも知れない。今の柔術家は中井先生らレジェンド世代とは情報量で圧倒的に違いがある。これを役立てなくてはいけない。でもこれは情報量に埋もれてしまうという諸刃の刃でもある。日々新たな技が生み出されている今、追いかけているだけで終わってしまてはいつまで経っても自分の柔術を作ることなどできない。
情報量に振り回されず、いかに活用して自分の柔術をクリエイトしていくか。
その思考訓練として、学んだ技から「Must条件」と「Should条件」を抽出するのがいいんじゃないかと思う。それで「Must条件」を骨格として、「Shoule条件」を自分にあわせてカスタマイズしていくのだ。
この観点で技術本や動画を見比べてみると面白い。
同じ技、つまり「Must条件」は同じでも「Should条件」が人によって異なっていたりする。また先生によって異なることを言ってるようでも、「Must条件」は共通していたりする。
こうやって技の分析をする。体で試す。だめなら「Should条件」を見直してみる。
そういう工夫ができるのが、BJJのおもしろいところだ。
2019年2月6日水曜日
続けていれば必ず勝てる後ろ向きな理由
試合に出るべきタイミング。
間違いなく、「出たい」と思ったときじゃないかと思う。
周りの人が出るから、先生に勧められたから。
そういう理由ももちろんアリだ。試合は出ること自体に価値がある。
安くない参加費払って、体重気にして、対戦相手の情報をググったり、イメトレしたり、もちろん普段の練習にも熱が入ったりしながら、当日を迎えてマットに立ち、「コンバッチ!」の声を聞く。
そして戦い抜いて「バロウ!」の掛け声とともに試合を終え、勝敗が決まり、相手と握手して分かれる。
そんなこと別にやらなくたっていい。なのにやってしまう。そこに価値があると思う。
だからどんな結果であれ、マットに立った人は等しく評価されるべきだ。
なにせやらなくてもいい苦労を、わざわざ買っているのだから。
できることなら負けたくないというのが参加者全員の本音だろう。
柔術には、勝つ確率を限りなくあげる方法がある。
それは当たり前だけど練習すること。スパーやって技を覚えて、研究して、余力があればフィジカルもやって。そうやって実力を高めていけば必ず強くなる。
そして練習を続けること。練習を続ければ必ず勝てる。なぜなら長期間続けていれば自分の実力があがり、なおかつ同階級の強い選手が昇帯してしまうからだ。
試合に出て勝てそうになければ、練習をしっかり継続すればいい。すると茶帯までなら強い選手は必ずいなくなる。だから試合前にだけ根を詰めてがっつり練習するのではなく、日々の練習をしっかり継続すること。怪我をして休むことなく、極めがヤバそうなら超光速でタップする。
そうやって練習を積む。そうやって虎視眈々と強いやつがいなくなるのを待つ。そうやっていけば限りなく勝つ確率を高められるし、いずれ勝てる。そして自分が強いやつになる。
後ろ向きかも知れないけれど、これもまた勝つための戦略だと思う。
間違いなく、「出たい」と思ったときじゃないかと思う。
周りの人が出るから、先生に勧められたから。
そういう理由ももちろんアリだ。試合は出ること自体に価値がある。
安くない参加費払って、体重気にして、対戦相手の情報をググったり、イメトレしたり、もちろん普段の練習にも熱が入ったりしながら、当日を迎えてマットに立ち、「コンバッチ!」の声を聞く。
そして戦い抜いて「バロウ!」の掛け声とともに試合を終え、勝敗が決まり、相手と握手して分かれる。
そんなこと別にやらなくたっていい。なのにやってしまう。そこに価値があると思う。
だからどんな結果であれ、マットに立った人は等しく評価されるべきだ。
なにせやらなくてもいい苦労を、わざわざ買っているのだから。
できることなら負けたくないというのが参加者全員の本音だろう。
柔術には、勝つ確率を限りなくあげる方法がある。
それは当たり前だけど練習すること。スパーやって技を覚えて、研究して、余力があればフィジカルもやって。そうやって実力を高めていけば必ず強くなる。
そして練習を続けること。練習を続ければ必ず勝てる。なぜなら長期間続けていれば自分の実力があがり、なおかつ同階級の強い選手が昇帯してしまうからだ。
試合に出て勝てそうになければ、練習をしっかり継続すればいい。すると茶帯までなら強い選手は必ずいなくなる。だから試合前にだけ根を詰めてがっつり練習するのではなく、日々の練習をしっかり継続すること。怪我をして休むことなく、極めがヤバそうなら超光速でタップする。
そうやって練習を積む。そうやって虎視眈々と強いやつがいなくなるのを待つ。そうやっていけば限りなく勝つ確率を高められるし、いずれ勝てる。そして自分が強いやつになる。
後ろ向きかも知れないけれど、これもまた勝つための戦略だと思う。
登録:
コメント (Atom)
クラッチをやめた
40過ぎて柔術を始める。 特に柔道やレスリングのような組技系の経験はない。 素人のおっさんである。 青帯をもらったとはいえ、先輩方の壁は高く、後から入る若者に力負けする。 やっぱりレスリングや柔道のベースがある人は強い。みるみるうちに上達して、あっという間に歯が立た...
-
スパイダーガード。 ジムでも手足の長い白帯に先生や先輩が「君、スパイダーガード向いてると思うよ」なんてアドバイスするのを聞いたことがあると思う。 相手の腕をキックして距離を取るスパイダーガード。 しっかり足を当てられるとなかなか厄介で、外してパスするのは大変だ。 この...
-
たまたまなのか、僕の周りにはXガードを使う人が多い。 別に統計をとったわけではないけど、Xガードからのスイープをよく食らう。 やられた技は覚える。 ただXガードの使い勝手については正直、よく分からなかった。スイープの数が多いわけじゃないし。担いで立つか、後ろに倒すか、くら...
-
おっさん柔術家の頭を悩ますもの。 それはモダン柔術。 青帯と言えば、ようやっとスパイダーやらデラヒーバやらオープンガード系を覚えて、ぼちぼち使い始める頃合いだと思う。何か得意技が見つかって、それを武器に勝ち上がれるようになれば、まあ青も卒業って感じなんだろう。 そんなよ...